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モンブランができるまで④

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なかなか続きが書けないのだけど…
お客様が「読みました」「面白い」「大変とは思ってたけど、これ程とは…」「ここまでしてるのか」とかお声掛けいただいたので、モンブランが終わるのが先か、書き終わるのが先かわからないけど続けていきますね。

maison de fraiseのモンブランができるまでの続きです。

全工程の中で一番時間のかかる渋皮の掃除が終わったら、いよいよ砂糖で炊いていきます。

鍋に砂糖と水を入れて…

これ1年に一度の作業なので、すっかり忘れてて毎年後から「あぁそうだった」と思う。

瓶詰めする時に炊いた煮汁も栗が浸かる量が必要なので、最初に入れる水の量が重要。

炊き始めて13年?位になるので、
鍋にこれくらいあれば足りるって感覚をつかんでいますが、それに気を取られ過ぎて何時も先に水をいれてしまう。

そこに砂糖を入れていくと、お察しの通り当然水が跳ねるのです。

そこで、「あぁまた先に水を入れてしまった…」と。

跳ねる水に顔をしかめながら、
もうこの作業に入る頃には寝不足で頭が働いて無いのできっとこれからも繰り返してしまうんだろうなと思いながら…

紙の落し蓋をして、コトコト炊きます。
疲労が落し蓋の空気穴に出てますね…
大きさバラバラ。
しかも不規則。
まぁ穴が開いてればいっかぁ。

普段のお菓子作りでは主に細かいグラニュー糖を使います。
初めて栗を炊いた時に砂糖はどうしようかなと悩みました。
グラニュー糖は精製度が高いのでスッキリし過ぎるだろうな。
キザラとか使った方がコクも出て美味しそう。
だけど原価も上がるよね。

経営者としてはダメかもですが…
原価計算も大事だけど、お客様が買いやすい価格も大切。

ここ最近は材料、包材の高騰で価格を上げざるを得ないですが開店当初は確か¥450で販売してたように記憶してます。

他のケーキの値段に比べたらモンブランは当時も価格設定が高かった。

それでも材料コスト、手間、店を閉めて栗を炊いてる間の売上が無い事を考慮すると、以前も、今も決して十分ではありません。

味が最も重要な判断材料ではありますが、コストを掛けすぎずに美味しいものを作る事を意識。

その結果、上白糖を選びました。

上白糖も製菓材料卸の業者さんに発注すると、店に届けてくれるけど意外と安くない。
よっぽどスーパーの方が安い。
普段から日常のお買い物の時に上白糖の底値をチェック。
と言っても私が日常使いしてるスーパーは3軒。
その中で、毎年一番良心的な価格のお店で自ら購入。
どーんと15kg程。
使うのは12~14kgですが、足りなくて途中で買いに行く手間とか、寝不足でヨレヨレなのに買い物に出るとか嫌なので多めに購入。

パティシエールは力仕事。
年々体力もだけど、力も落ちてるなぁとこういう時にひしひしと感じます。
何時まで続けられますかね…

コトコト…
煮含まったら火を止めて、一晩置きます。
さらっと書いたけど、朝から火を入れて夕方位までは弱火で炊きます。
なんせ量が多いので、時間はかかります。

一晩置くのはなんとなく。
なんとなく?!って突っ込まれそうですが、煮物も冷めるときに味が染み込むって言うから…なんとなく。

ここでやっとちょっと寝れる。